リワークプログラムについて

● メンタル不全による休職者が急増

社会全体でも「メンタル不全による休職」が急増しており、日本では一生の中でうつ病にかかってしまう確率は6から7人に1人とされています。また、100人いればそのうちの2~3人は現時点でうつ病などのメンタル不調を抱えていて、その予備軍は5割とされています。つまり、誰もがなってしまう病気であり、現在もメンタル不全を抱えながらなんとか勤務している、あるいは、自覚していない病気なのです。看護師も現在免許を持ちながら、何らかの理由で休職・退職している看護師が55万人いるといいます。メンタル不全を抱え退職・休職している看護師が再び現場で生き生きと活躍できるように熱心にリワークプログラムや、現職員のメンタルヘルスに取り組む病院や施設も増えてきました。

● 最初の復職を成功させることが鍵

うつ病や燃え尽き症候群などのメンタル不全で休職した人は、回復まで長期の療養が必要になります。軽度で3ヶ月間、重度で1年以上かかる場合もあります。「早く現場に出なければ」という責任感と焦りから回復途中で無理して復職し、再発して再び休職する。これを何度も繰り返し、状態をさらに悪化させてしまう方もいます。メンタル不全による休職からの復職は、非常に難しいです。「本人」「精神科医」「職場の上司」が連携し、正しい知識に則って、段階的に支援していかなければ成功しません。また、一度失敗してしまうと、何度も休職復職を繰り返し、命を絶ってしまうほど病が深刻化していきます。貴重な人材を救うためには、一度目の休職で復職を成功させることが、最も効果的で重要なポイントです。

● リワークプログラム

リワークプログラムとは、メンタル不全から回復し、そろそろ職場に復帰可能と医師から診断が降りるた時、職場に適応できるまで組織的、段階的に心と体を慣らしていくためのプログラムです。メンタル不全から復職する際に最も中核的な役割を担うのが「職場」になります。休職中、家族は本人の回復を必死に支えていきます。その家族と精神科医と連携をとり、復職を成功させるためのチームリーダーとして、「職場」が組織的・計画的対策を講じる役割を担います。メンタル不全からの回復時期は、正しい知識に基づいた慎重な対応が求められます。なぜならば、回復期が最も自殺率が高まる時期でもあるからです。また、一度復職に失敗すると再び休職と復職を何度も繰り返してしまいます。そのためにも、専門職の指導の元に、行政・医療・民間の「リワークプログラム」に沿って段階的に準備し職場環境や復職を成功させるためのチームを整えて、互いに連携しながらみんなで支えていく姿勢が必要です。

● 3年から5年のブランクがある人のための教育プログラム

医療技術の進歩は目覚しく、子育てや様々な事情で3年から5年、あるいはそれ以上ブランクがあった看護師は、「現場に対応できるだろうか」「現場できちんと働くことができるだろうか」と非常に不安に思うそうです。年齢が上なのにブランクがあるため、若い看護師に「こんなことも知らないの」という目で見られたり、侮蔑の対象になったりして苦労した方もたくさんおられます。そういった「ブランクからの復帰」に対して「教育プログラム」を取り入れ、組織的全体で好意的に支援していく病院が増えてきました。看護師就職支援サイトでコンサルタントに相談すると、そういった現場復帰支援を積極的に行ってくれる病院を紹介してもらうことができます。「体をならすために派遣やパートからやってみよう」と考える方もいます。けれども、そういった現場復帰のための教育プログラムをしっかりと受けて就職することができれば、将来的なスキルアップを狙うことも可能です。ぜひ、復職するならば、そのような支援体制などが整っている病院も参考にしてみてください。スタートが違えば、おそらく5年後、10年後の自分の可能性が広がっていくはずです。

☆「心の耳」
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/attentive/008.html

☆「職場復帰のガイダンス」
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/return/worker/

☆「職場復帰をいかに支えるか」
⇒ http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2010/08/pdf/074-085.pdf

☆「リワークプログラム」例
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/case/hukki/

☆「リワークプログラム」例2
⇒ http://www.tsuduki-mental.com/rework/index.html
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★ 「ブランクからの復職支援」
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⇒ http://fukushokusien.net/